電気通信大学
大学院情報理工学研究科 基盤理工学専攻
委員名:水柿義直

研究概要

磁束量子化とジョセフソン接合を利用するエレクトロニクス応用の研究を実施。高周波基準信号にジョセフソン接合の位相変化を同期するさせることで発生する量子化電圧は電圧標準として利用されていますが,これをディジタル-アナログ( D A )変換器の出力に利用する集積回路の開発を行っています。

1非対称SQUID の三進数系列接続を利用する両極性出力D A 変換器

非対称SQUID に高周波信号(周波数 f )を印加すると, SQUID ループに鎖交する磁束によって,Φ0f, 0, Φ0f の 3 値の電圧が発生することを見い出し,これを利用した三進数系列の両極性出力 D A 変換器を試作しました。(ここで, Φ0は磁束量子の大きさである。)

6-bit 疑似三角電圧波形合成回路の光学顕微鏡写真
6-bit 疑似三角電圧波形合成回路の光学顕微鏡写真

2単一磁束量子パルス周波数変調型D A 変換器

RSFQと呼ばれる単一磁束量子ディジタル回路技術を用いて,数十 MHz 程度の高周波基準信号に同期した単一磁束量子パルス列を生成し,そのパルス周波数を数 GHz ~数十 GHz 程度にまで逓倍した後に,電圧増倍器を通して出力する DA 変換器を試作しました。