横浜国立大学
先端科学高等研究院/大学院工学研究院
超伝導エレクトロニクス研究グループ

委員名:吉川信行、山梨裕希

研究概要

当研究室では,超伝導現象を応用して従来よりも圧倒的に効率的な情報処理を行える集積回路システムの研究を行っています。単一磁束量子回路や断熱量子磁束パラメトロン回路など超伝導を利用した回路の設計方法や新規回路方式の提案をはじめとして、これらのニューラルネットワークやストカスティックコンピューティング、量子コンピュータへの応用を行っています。これらの新概念コンピューティング技術を用いて、既存の半導体回路の限界を打ち破る次世代コンピュータの実現を目指しています。

1超省エネ超伝導コンピュータの研究開発

将来の高性能スーパーコンピュータやデータサーバの省エネ化のために、エネルギー効率が極めて高い集積回路の実現を目指しています。本研究では、高速性が特徴の超伝導磁束量子回路を断熱的に動作させることで、熱力学的に極限的低エネルギーで動作する論理回路(Adiabatic Quantum Flux Parametron: AQFP)を開発します。これにより従来の半導体集積回路に対して消費電力を6桁低減します。また、超エネ集積回路技術を用いたコンピュータシステムを開発します。

2超伝導回路による確率演算の研究

計算にある程度の誤差を許容することで性能を向上させる、Approximating Computingを超伝導回路で実現することを目指しています。これまでに提案した、超伝導回路による物理乱数生成器の高速性や低面積性を利用した要素技術を開発しています。本回路が適する応用についての検討も行っております。

超伝導回路による確率演算の研究